なぜ、段差は「2cm」なのか? 車椅子と視覚障害者のためのバリアフリー設計基準

バリアフリーの正解数値 – Smile Idea

その「数センチ」には理由がある。
バリアフリーの正解数値

「バリアフリー」と聞くと、なんとなく「やさしさ」や「思いやり」といった、ふんわりとしたイメージを持っていませんか?

もちろんそれが原則なのですが、本当のバリアフリーには、車椅子ユーザーや高齢者が快適に暮らすための明確な「数字(正解)」が存在します。

普段なにげなく見過ごしている段差や設備の位置。
そこには、「誰かの不便を解消するための、優しさに基づいた緻密な配慮と計算」が隠されているのです。
ここでは、そんなバリアフリーの代表的な3つの数字とその理由について解説します。

■ 街の中の数字:「2cm」の攻防

Q:車椅子が乗り越えられる段差は何cmまで?

歩道と車道の段差2cm

答えは「2cm」です。
これ以上高いと、多くの車椅子は自力で乗り越えることが困難になります。

「それなら0cm(フラット)にすれば良いのでは?」と思いますよね。

しかし、もし段差がないと、視覚障害者の方は白杖(はくじょう)で「どこまでが歩道で、どこからが車道なのか」という境界線が分からなくなってしまいます。

あえて段差を設けることで、白杖に引っかかる感触を作り、「ここから先は危険な車道だ」と伝える重要な役割を果たしているのです。

視覚障害者と車椅子のジレンマ

つまり2cmとは、「車椅子の限界」と「視覚障害者の安全」、この2つのバランスを取ったギリギリの妥協点なのです。

<参考> 国土交通省 道路局「歩道の構造基準」

■ 暮らしの数字:「40cm」の優しさ

Q:車椅子ユーザーが「楽」に使えるコンセントの位置は?

床から40cmのコンセント

国の建築設計標準で推奨されている高さは「床から40cm」です。

一般的な住宅のコンセント(約25cm)は、車椅子からは手が届きにくく、使おうとすると体をねじったり身を乗り出したりする「無理な姿勢」を強いられます。
(※これは高齢者にとっても、腰を深く曲げなければならず大きな負担です)

一方、40cmの高さであれば、車椅子に座ったままでも自然な姿勢で差し込むことができる、誰にとっても使いやすいユニバーサルな高さになります。

<参考> 国土交通省「建築設計標準(第2章:各室の標準設計)」(PDF)

■ 家の中の数字:「80cm」の壁

Q:車椅子が通れる廊下幅は?

動きによって必要な幅は変わります。

  • 直進するだけなら:最低80cm
  • 余裕を持つなら:90cm程度あると安心です
  • 曲がり角(コーナー):なるべく広く確保しましょう。
    難しい場合は隅切り(角を落とす)等の工夫で通りやすくなります。
廊下幅80cmと車椅子

これを知らずにリフォームすると「直進はできるけど、部屋に入れない(曲がれない)」など、生活に支障が出る可能性があります。

日本の住宅事情では確保が難しい数字ですが、だからこそ事前の正しい知識が必要不可欠です。

※車椅子の大きさやタイプによってこの幅も異なります

<参考> 東京都「建築物バリアフリー条例」

言われてみれば「当然」の数字。
でも…

2cm、40cm、80cm。
理由を聞けば、どれも当たり前の数字に思えるかもしれません。

しかし、普段の生活の中で、自分からこの配慮に気づくことは簡単ではありません。
なぜなら、「障害者や高齢者の身になって考える」という視点がなければ、その不便さは見えてこないからです。

大切なのは、相手の立場に立って、その不便に気づくこと、必要な配慮に気づける心です。

私たちNPO法人 日本障害者アイデア協会は、この「相手の身になって考える心(心のバリアフリー)」を、工作や体験授業を通じて全国の子どもたちに教えています。

■ バリアフリーアイデアをみんなで考えよう!

この授業は、小学生・中学生が「障害者や高齢者の身になって不便を見つけ、解決策を考える」ワークショップです。 例えば、以下のようなテーマについて全員で討論し、解決するアイデアを考えます。

  • テーマ:視覚障害者が着替えをする時、どんな不便があるか?
    → その不便を考え、解決するアイデアをみんなで考えよう!
  • テーマ:片手が不自由な人が文房具を使う時、どんな不便があるか?
    → その不便を考え、解決するアイデアをみんなで考えよう!
  • テーマ:車椅子利用者がコンビニに行った時、どんな不便があるか?
    → その不便を考え、解決するアイデアをみんなで考えよう!
アイデア討論中の授業風景1
アイデア討論中の授業風景2
アイデア討論中の授業風景3

■ バリアフリーグッズを作ってみよう!

筋肉が萎縮する難病を抱えた大山さんが考案した「超軽量タッチペン」を実際に工作し、工夫の力を体感する授業も実施しています。

超軽量タッチペンの工作中の写真
超軽量タッチペンの完成写真

■ 授業解説動画

■ 授業の実績と支援の必要性

私たちのバリアフリー授業は、東京都教育委員会の「オリンピック・パラリンピック教育支援プログラム」に採択され、 東京都の支援のもと、多くの都内小学校で実施されてきました。

実績資料

しかし、東京パラリンピックの終了に伴いこの支援プログラムも役目を終え、現在は学校側が独自に授業の予算を捻出する状況となっています。

ところが、多くの学校から大きな関心を寄せていただきながら、予算の関係で授業の実施を諦めざるを得ないケースがいくつもあります。

私たちは、この授業を必要としてくれる学校や子どもたちに
「経済的な理由で学ぶ機会が失われることがないようにしたい」
と強く願っています。

バリアフリー授業を
全国の子どもたちへ。無料で。

授業風景

そこで、私共はこの授業を皆様からのご寄付によって実施しようとクラウドファンディングやスポンサー企業の募集を開始いたしました。また、学校関係者様からの授業実施希望も併せて募集しております。ぜひご協力をお願いいたします。

【ご協力のお願い】
  • クラウドファンディングでのご寄付
  • スポンサー企業の応募
  • 授業の申込み(待機リストご登録)
  • SNS等での情報のシェア・拡散
クラウドファンディングでのご寄付

個人・法人を問わず、ご寄付は専用サイトよりお手続きいただけます。
皆様からのご支援は、授業実施に活用させて頂きます。

▶︎ Syncable 寄付ページへ
法人・企業の皆様へ

スポンサー企業としてのご支援も募集しております。
『◯◯株式会社提供のバリアフリー授業』として授業を実施します。
また、ご寄付にあたり請求書払いにも対応しております。
ご支援は、企業様の広告活動のほか、次世代育成・共生社会づくりに直結する取り組みとして、CSR/SDGsの観点でもご活用いただけます。

▶︎ 企業様専用問い合わせフォーム
授業の申込み(実施待機リストへの登録)

授業実施を希望される学校を募集しています。
本プロジェクトは皆様からのご寄付を原資としているため、必要な寄付額が集まり次第実施する形式をとっております。

そのため、現在は「実施待機リスト(先行予約)」として随時受付を行っております。

目標額に達した際、原則としてリストに先行登録されている学校様を優先してご連絡差し上げます(状況により前後する場合があります)。

▶︎ 待機リスト登録へ
支援金の使い道

ご支援は教材費・交通費・運営費等に活用し、実施報告および収支状況は年度ごとにホームページにて公表いたします。

支援金が一定額に達し次第、順次授業を実施します。達するまでの期間は次回の授業のために積み立て、教育活動に活用します。

▶︎ 授業実施・収支報告はこちら
お問い合わせ

授業内容やご寄付などに関するお問い合わせはこちらよりご連絡ください。

▶︎ お問い合わせフォーム

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